ここからは、いよいよ本格的に、企業価値と株価を比較する方法です。
純資産倍率とは、株価が1株株主資本の何倍かを表していて、
PBRとも言います。
では、純資産倍率を使って銘柄を選んでみましょう。
ここでは、例として電力会社を比較します。
なお、このデータは2005年3月の連結決算の内容と、
2006年3月某日の株価を用いています。
| 銘柄 | 株価 | 1株利益 | ROE | PER | 株主資本 比率 | PBR | 配当 |
| 9501 | 東京電力 | 3,110 | 167.29円 | 9.30% | 18.59 | 18.2% | 1.61 | 60円 |
| 9502 | 中部電力 | 3,090 | 125.68円 | 6.54% | 24.59 | 24.8% | 1.50 | 60円 |
| 9503 | 関西電力 | 2,765 | 73.83円 | 4.25% | 37.45 | 24.0% | 1.48 | 50円 |
| 9504 | 中国電力 | 2,570 | 128.61円 | 7.31% | 19.98 | 25.0% | 1.38 | 50円 |
| 9508 | 九州電力 | 2,785 | 187.91円 | 9.45% | 14.82 | 24.2% | 1.29 | 60円 |
電力会社は公共的企業であり、業績低下や倒産の危険が低く、
また、配当利回りが高いことから、個人株主に人気がある銘柄です。
初心者投資家は、まず電力株に挑戦すると、比較的安全と言われます。
電力会社の中でも、ここにあげた会社は、
特に、「利益構造が同じ」会社です。
電力会社といえども、原油価格や気候など影響で、
利益が増加したり低下したりすることもあります。
そういった場合も、特に気候が似ている地域のこれらの会社は、
全部の会社が同じように、利益が上下すると考えられ、
1社だけが特別に儲かったり損失が出ることは、あまりありません。
「利益構造が同じ」ですから、
各会社の利益の違いに影響しているのは、
顧客数や人口密度などの限られた要素だと思います。
純資産倍率(PBR)は、株価が、
会社の実際の財産である1株株主資本の何倍なのかを
表していますから、投資家が儲かると思っている会社ほど
高くなります。
では、5つの電力会社を良く見てください。
実際に利益が多く出てROEが高い割に、
純資産倍率(PBR)が低い銘柄がありませんか。
はい。答えは、九州電力ですね。
九州電力は、株主資本も配当利回など他の要素も、
他の4社と比較して、悪い点はありませんから、
純資産倍率が他社並みにあがる可能性が高い、
つまり株価が上がる可能性が、高いと言えます。
一般的に、同種同業で利益構造も同じであれば、
理由も無いのに、純資産倍率が高くなったり
低くくなったりすることはありません。
低ければそのうち上がり、高ければそのうち下がるのが普通です。
なお、純資産倍率はあくまでも、帳簿上の理論値から計算されています。
所有している土地建物や子会社の実際の価格や、
気候等の自然背景、不祥事や政治背景、隠れた借金、
事業の将来性など、帳簿上の財産として現れていない要素が
株価に影響している場合がありますので、注意してください。