◆純資産倍率で選定する
ここからは、いよいよ本格的に、企業価値と株価を比較する方法です。

純資産倍率とは、株価が1株株主資本の何倍かを表していて、
PBRとも言います。

では、純資産倍率を使って銘柄を選んでみましょう。
ここでは、例として電力会社を比較します。
なお、このデータは2005年3月の連結決算の内容と、
2006年3月某日の株価を用いています。

銘柄株価1株利益ROEPER株主資本
比率
PBR配当
9501東京電力3,110167.29円9.30%18.5918.2%1.6160円
9502中部電力3,090125.68円6.54%24.5924.8%1.5060円
9503関西電力2,765 73.83円4.25%37.4524.0%1.4850円
9504中国電力2,570128.61円7.31%19.9825.0%1.3850円
9508九州電力2,785187.91円9.45%14.8224.2%1.2960円

電力会社は公共的企業であり、業績低下や倒産の危険が低く、
また、配当利回りが高いことから、個人株主に人気がある銘柄です。
初心者投資家は、まず電力株に挑戦すると、比較的安全と言われます。

電力会社の中でも、ここにあげた会社は、
特に、「利益構造が同じ」会社です。
電力会社といえども、原油価格や気候など影響で、
利益が増加したり低下したりすることもあります。
そういった場合も、特に気候が似ている地域のこれらの会社は、
全部の会社が同じように、利益が上下すると考えられ、
1社だけが特別に儲かったり損失が出ることは、あまりありません。

「利益構造が同じ」ですから、
各会社の利益の違いに影響しているのは、
顧客数や人口密度などの限られた要素だと思います。

純資産倍率(PBR)は、株価が、
会社の実際の財産である1株株主資本の何倍なのかを
表していますから、投資家が儲かると思っている会社ほど
高くなります。

では、5つの電力会社を良く見てください。
実際に利益が多く出てROEが高い割に、
純資産倍率(PBR)が低い銘柄がありませんか。

はい。答えは、九州電力ですね。

九州電力は、株主資本も配当利回など他の要素も、
他の4社と比較して、悪い点はありませんから、
純資産倍率が他社並みにあがる可能性が高い、
つまり株価が上がる可能性が、高いと言えます。

一般的に、同種同業で利益構造も同じであれば、
理由も無いのに、純資産倍率が高くなったり
低くくなったりすることはありません。
低ければそのうち上がり、高ければそのうち下がるのが普通です。

なお、純資産倍率はあくまでも、帳簿上の理論値から計算されています。
所有している土地建物や子会社の実際の価格や、
気候等の自然背景、不祥事や政治背景、隠れた借金、
事業の将来性など、帳簿上の財産として現れていない要素が
株価に影響している場合がありますので、注意してください。

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